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スーツの色といえば黒ということでよいのか

先日”スーツの色”について調べてみた。スーツの色と聞いて思い浮かべるのは黒だ、と書いているサイトを見たからだ。これは多分フォーマルスーツを指しての黒だと思うのだが、そのサイトを見ていると一般的なスーツにおいても黒である、と受け止められる記述がちらほら。

 

いつの間にかリクルートスーツが黒になってた

そこでふと思う、そうなのか?と。
確かに今は黒のスーツが多い。スーツセレクトなどのツープライススーツストアなどでも圧倒的にブラック押しだ。
確かに黒は便利。引き締まって見えるし、グレーかなベージュかなと迷うよりも、黒でスッキリハッキリ間違いなし!


しかしそれでも何か引っかかる。だから、ググッて見よう・・・・・・


今のリクルートスーツは黒が主流なのだね。そういえば就活生を見ても黒ばかりだな。あまり気にしなかったけど。
しかしそれって何時から?前はリクルートスーツといえば紺が当たり前だったのに。
さらに調べてみると・・・・・・

 
世の中大不況にあえいでいた2000年ごろから黒に移行してきたらしい。大規模就職イベントが数多く開催されていたあの時代、就活生は大勢の参加者の中で目立つことを恐れて黒を選んだのだという。

そしてまた、青山などのスーツ量販店がTHE SUITS COMPANYのようなファッション性を持たせたスーツブランドを展開したのもこの頃らしい。確かにファッション重視のスーツブランドといえば黒スーツのイメージがある。


目立ちたくないから黒が選ばれたのか、ファッション性を意識するから黒が選ばれたのか。


リクルートスーツ云々ということでなく、単に黒いスーツが流行った理由としてはフォーマルスーツに対する思い違いがあるという説がある。紺やグレーよりも黒の方がフォーマルだ。だから仕事で着るのは黒の方が「もっと礼儀正しい」ということらしいのだが・・・・・・
フォーマルとはレセプションとかパーティーのことを指しているのであり、そういった場面で「着飾るため」に黒のスーツが着用される。つまり「黒は着飾る色」ということである。
ビジネスという場面で着飾る必要があるだろうか。

 

人気カラーである黒

話が逸れるが、30年ほど前は一般のカジュアルにおいても黒というものはあまり見られなかったものだ。今のように黒スタイルが普通になり始めたのは、1980年代初頭から後半にかけての時期であったと思う。

 

服屋をやっている人が話していたのだが、今ではアパレル業界にいる人間なら誰もが名前を知っているというデザイナーの大御所が、その当時海外のコレクションで全身黒づくめのスタイルを発表し、賛否両論の末にめちゃくちゃ高い評価を受けたらしい。日本には凄いデザイナーがいるとか何とかいった話題になるとともに、カジュアルファッションにも黒というものが浸透しはじめたのだとか。

と同時に、デザイナーズブランドから黒のスーツが展開されるようになる。

そういえば車の色についても今では当たり前のように黒があるが、1980年代後半になるまでは一般の人が黒の車を所有することなど考えもしなかったようだ。初めて黒の市販車が出たときは、皆一様に「何やこれ?」状態だったという。

しかしこれも今では主流の色となっているということで、黒という色は日本人の好みに合う部分もあるのだろうか、と考えたりもする。

スーツに話を戻すと、そういう日本人好みの面が影響して黒のスーツが流行ったと見るのが正解みたいな気がする。

最初は「葬式でも行くんか?」って揶揄されることが多かったにしても、それでも黒のスーツは売れたのだ。それは「黒の方がかっこいい」からだ。

時間が経つにつれて人々は黒スーツを見慣れていく。慣れてしまえばもう世の中で当たり前になっていく。


2000年というと黒スーツが登場して10年以上経過している。社会人が普通に黒スーツを着ているのを、学生は毎日のように見ているわけだ。社会人になるための就活に黒スーツを着て臨むのも当然の行動ともいえるだろう。


また、スーツ量販店も黒スーツをリクルートスーツとして販売する。黒の方が売れるからなのか、他に何か理由があったのかはわからないが、ともあれこの辺りで「リクルートスーツはネイビーだ」という常識みたいなものが崩れ始めたようだ。


ここまで思うままに書いてきたので、ちょっと整理してみると。
 1.リクルートスーツは黒が主流となっている。
 2.黒のスーツが登場したのは1980年代から、そして2000年ぐらいからリクルートスーツに黒を使う流れが起きる。
 3.黒スーツが流行っている一番の理由は、かっこよく見えるからだろう。
 4.日本人は黒という色を好む性質を持っているのかもしれない。

 

望ましいスーツの色とは

さて、スーツの色は本来何が望ましいのだろう。
調べるとすぐに答えは出てくる。ネイビーとグレーだ。そして、どちらの色についても濃い方がより礼儀正しくてビジネスに向いている、とのことである。
また、ネイビーでもよいが、より最適なのはチャコールグレーだという。濃いチャコールグレーなら間違いない、というわけだ。

それでは、人気の黒スーツはどうなの?って話だが、欧米では話にならないようである。これについては検索してもらうと似たような話がずらりと並ぶのであえてここに書くことは控えておくが、とにかく散々な言われっぷりだ。ビジネスで黒のスーツを着ることは本来ありえないことのようである。


しかし、その「ありえない」ことが日本の社会では「当たり前」とされている現状がある。ある企業の面接担当者が就活生の服装について問われた際に、「黒のスーツだと間違いない」と答えた例もあるらしい。

 

スーツの着こなしの基本は大事だけれど・・・

正式なスーツの着こなしとは異なる日本の現状であるが、「欧米に倣って黒は控えるのがよい」という意見もあれば、「ここは日本だ。黒を着て何か問題でもあるのか」と言う人もいるだろう。


洋服を着る限りは、その原点である欧米の着こなしこそが基本であり学ぶべきものだと言えると思う。そして、洋服の本場で構築され完成された着こなしのルールというものについては、スーツを着る限りは知っておきたいとも思っている。


ただ、何でもカンでも本来のルール通りに、というわけにはいかない。欧米と日本では気候も異なり、文化も異なり、考え方もそれぞれのものがある。
例えば半そでシャツなども本来ありえないものらしい。でも、暑いときは着るでしょ、ということ。

 

たまたま私は夏でも長袖捲くって着ることがほとんどなのだが、機会があれば半袖シャツ買いますよ。
TPOに合わせた服装が大事ということであれば、日本では半袖でOKという意見も尤もなことだと思う。


それと同時に黒いスーツをビジネスで着るということについても、日本の着方ということで良いのじゃないかと思うこともある。やっぱり黒のスーツの方が締まって見えるし、カッコよく見えてしまうから、という理由でもええんちゃうの?、と。

例え欧米の人からは「着こなしのルールを分かってない奴」と見下されていたとしてもだ。


黒づくめカジュアルが、批判を浴びながらも結局世界に影響を与える存在になった。今後黒のスーツがもっと市民権を得る展開になるかもしれないのだ。

 

まあ、スーツの基本知識は知っておきたいよね

と、このように書いてきて何だが、実は今、本場のルールに合った着こなしというものを一度はきちんと経験してみるのもいいことじゃないだろうか、と考えている自分がいる。そして正しい着こなし方というものを知った上で、好みに合わせて黒を着るというのも余裕があっていい。


そう、次に買うスーツはチャコールグレーにしたい。どこに着ていっても間違いの無いスーツなのだと、意識して選んでみたい。
せっかくスーツを着るのなら、一度は正統なカラーであるチャコールグレーを着こなしてみたいじゃないか。

 

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